平均点以下の中学生を持つ親へ。
焦らず取り組める家庭学習の作り方
テストが返ってくる。また、平均点以下。
保護者懇談で先生に「もう少し家庭学習を…」と言われる。
「うちの子、このままで大丈夫だろうか」
「他の子は、もっとやってるんじゃないか」
「私が、もっと管理してあげなきゃ」
そう感じている、お母さん・お父さんへ。
今日は、その「焦り」を一度、横に置く話をします。
焦りは、たぶん逆効果です
平均点以下の状態が続くと、親はどうしても焦ります。当然です。でも、その焦りが、結果として家庭学習をもっと壊してしまうことがあります。理由を、心理学の研究から説明します。
「努力でできるようになる」と信じている子は、
「もう才能で決まってる」と思う子より、確実に伸びます。
スタンフォード大学の心理学者キャロル・S・ドゥエックが提唱した「マインドセット理論」では、人の能力観は2種類に分けられます。「能力は努力で伸ばせる」と信じる 成長マインドセット と、「能力は生まれつき決まっている」と思う 固定マインドセット です。
数千人の生徒を追跡した研究で、成長マインドセットを持つ子のほうが、難しい課題に挑み続け、成績も伸び続けることが明らかになっています。重要なのは、このマインドセットは 親の声かけで形成される という点です。
参考:Dweck, C. S. (2006) Mindset: The New Psychology of Success
固定マインドセットを育てる、親のNG言葉
残念ながら、親の善意の言葉が、固定マインドセットを育ててしまうことがあります。
① 「頭がいいね」と褒める
意外ですが、これがいちばん危険です。「頭がいい」と褒められた子は、難しい問題に直面した時に「自分は頭がよくないのかも」と感じ、挑戦をやめます。Dweckの研究で、能力を褒められた子は、努力を褒められた子より、課題回避が増えたことが示されています。
② 「頑張ったのに、できなかったね」と言う
努力が報われなかった、というメッセージは、努力そのものへの信頼を削ります。代わりに 「どんなやり方を試した?」 と過程に焦点を当てる声かけが効きます。
③ 「○○ちゃんは出来てるのに」と比べる
比較は、固定マインドセットを爆速で育てます。「能力で差がついている」というメッセージを、何度も植え付けてしまうからです。親が言ってはいけない7つの言葉 でも書いていますが、比較は本当に効きません。
もう一つ、知っておきたいデータ
日本の若者の自己肯定感は、
諸外国と比べて顕著に低い水準にあります。
内閣府が実施した「子供・若者白書」の国際比較調査では、「自分自身に満足している」と答えた日本の若者の割合が、欧米諸国と比べて10〜30ポイント低い結果が長年続いています。
平均点以下のお子さんは、もともと 自己肯定感が削られやすい状況 にあります。そこに親の焦りからくる「もっと頑張れ」「なんでできないの」が重なると、心の土台が崩れます。勉強の前に、自己肯定感が必要 なんです。
出典:内閣府「子供・若者白書」(年度毎)
焦らず、長く続けるための4つの原則
① 「結果」より「過程」を見る
テストの点数(結果)に一喜一憂しない。代わりに、「机に向かった日数」「やり直しした問題の数」(過程)を見る。過程は、毎日少しずつ改善できます。結果は3ヶ月遅れてついてきます。
② 小さな成功を、毎日見つける
「昨日より5分長く座れた」「英単語5個覚えた」。これを毎日見つけて伝える。自己肯定感は、こうした小さな承認の積み重ねで育ちます。「やる気じゃなく仕組み」の原則 もあわせてどうぞ。
③ 他人と比べない、過去の自分と比べる
「3ヶ月前は10分も続かなかったのに、今は30分続いてるね」。これが正しい比較の仕方です。他人との比較は、固定マインドセットを育てるだけです。
④ 親が、自分の自己肯定感も守る
子育てで疲れて、自己評価が下がっていませんか?親の心の余裕が、お子さんへの言葉を変えます。親が自分を責めないこと、これも回り回って、お子さんに効きます。
具体的なやり直しは「土台」から
平均点以下のお子さんは、多くの場合、基礎の土台が崩れています。平均点が取れない中学生の原因と動き出すステップ で詳しく書いていますが、中3でも中1の英文法から戻る価値があります。成績が下がった時の見直しポイント も参考になります。
自分たちだけで難しい時の、4つの選択肢
| 選択肢 | 月額目安 | 平均点以下との相性 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 通信教材 (進研ゼミ等) |
6,000円〜 | △ 学校進度に合わせるので、基礎の穴が放置されがち | 「自分でやる」が前提 |
| 映像授業 (スタディサプリ等) |
2,000円〜 | ○ 基礎の単元に戻りやすい | 自己管理ができないと続かない |
| 通塾型個別塾 | 15,000円〜 | ○ お子さんに合わせてくれる | 料金と送迎の負担 |
| オンライン個別指導 | 11,000円〜 | ◎ 個別+自宅+続く仕組み | サービスによって質に差がある |
・「もっと頑張れ」が口癖
・他の子と比べて焦る
・「過程」を褒められる
・親も、お子さんも、肩の力が抜ける
「焦り」を「仕組み」に変える、3ヶ月。
スタディマックスは、お子さんが 毎日少しずつ進める 仕組みです。
講師が「今日の小さな成功」を見つけて、保護者にも毎日メールで報告。「結果」じゃなく「過程」を、家族で共有できる設計にしています。
月額¥11,000〜(税込)。
「平均点以下のうちの子に、合うかな…」というご相談、お気軽にどうぞ。
最後に:3年で見る、半年で見る
平均点を取り戻すのに、1ヶ月では足りません。半年〜1年かけて、土台から作り直すつもりで取り組んでください。
そして、その半年〜1年の間、お子さんの自己肯定感を守ることが、いちばん大事です。「成長マインドセット」を育てる声かけ を、続けてください。それだけで、3年後の景色は、ずいぶん変わります。
うちの子は、ちゃんと、伸びる子です。今は、土台を作る時間です。